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子どものやる気について②

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こんにちは!

今日は子どものやる気を引き出すためによく使用される、ご褒美について調べてみました。

 

 

ご褒美に関する研究

ご褒美に関する研究がたくさんありました。

今回はやる気に直接関する有名なものをご紹介します。

エドワード・デシの研究

2つの学生グループに「ソマ・パズル」を解かせる実験で、1つのグループは「パズルを解くと1ドルもらえる」というご褒美を設定し、もう一つのグループは「何もなし」とました。

実験の監督官が部屋を退出し、その自由時間にもパズルに取り組んでいると、意欲が高いとしました。

実際に、2つのグループはどうしたのかということです。

1ドルをもらえないグループはパズルに取り組む時間が多かったのに対して、1ドルを受け取ったグループはその時間が少なかったのです。

お金のせいで、パズルを解く楽しさが損なわれたと考えられます。

このことから、外から与えられる報酬が内発的なモチベーションを低下させるとしました。

他にも対象や課題を変えて実験が行われ、人は罰、監視、締め切りなどさまざまなことで意欲が下がる結果が出ています。

 この現象をアンダーマイニング現象、この現象の効果をアンダーマイニング効果といいます。

 

 

アンダーマイニング効果

アメリカの心理学者マーク・レパーの有名な研究をご紹介します。

幼稚園児を複数のグループに分け、お絵かきをしたことに対してご褒美をあげるグループとあげないグループを比較しました。

ご褒美をあげないグループは自由時間にお絵かきを楽しんでいましたが、ご褒美がもらえるグループは、ご褒美をもらえない自由時間の中で、ご褒美をもらえるようになる前よりもお絵かきをしなくなってしまいました

楽しいからやっていることにご褒美をあげたことで、「楽しい」という内発的動機が「ご褒美」という外発的動機に変わってしまったんですね。

こうなってしまうと、もうこの行為自体の価値が見いだせなくなってしまいます。

さらに、ご褒美は依存性があるともいわれています。

これはまた調べようと思います。

ご褒美はあげてはいけないの?

では、ご褒美はいけないのか?

多少はあってもOKです。

その内容やあげ方が大切です。

ただ、上記の実験からわかるように、子どもが自分から楽しんでいるときにわざわざご褒美を設定したりする必要はありません。

それはすでに内的動機付けがされている状態だからです。

そこにお小遣いやモノを追加することで、その楽しんでいた事柄が「仕事」になってしまいます。

報酬に関する研究では、以下の条件であればよいといわれています。

(そういう見方が多くあるということです)

  1. サプライズであるとき
  2. モノではなく褒め言葉であるとき
  3. アウトプットでなく、インプットへのご褒美

つまり、事前にご褒美を約束しないということが大切なようです。

お手伝いしたら100円あげる

と言って手伝わせるのではなく、

頑張ってお手伝いしてくれたから、事前に約束していないけどご褒美をあげる

ということです。

ですが、毎回毎回お手伝いをするたびにご褒美をあげると意味がないですよね。

自然と「いつももらえるからまたご褒美がもらえるかも」と思って頑張るようになるので、やはり意欲が低下してしまう恐れがあります。

 

そして、ご褒美をほめ言葉にすることです。

注意すべきは、ほめながら子どもに何かを促してコントロールしようとしないことだといわれています。ただ努力を認めてあげましょう。

脅しや締め切り、目標の強制など行動を制御することでもアンダーマイニング効果があります。

 

また、行動ではなく、成果に対するご褒美ならいいということでした。

テストで100点をとったらご褒美

というのではなく、

本を一冊読み終わったらご褒美

という方がいいそうです。

これは私としてはちょっと半信半疑ですが。

けれど、成果よりも、プロセスをほめることがいいとは言われています。

これは100点を取ったことよりも、そのための努力を誉めるのがいいのだということです。

 

 

 

色々と調べて上記のようなことを書いてきましたが、ご褒美を勉強でやってしまうと、やはり途中でうまくいかなくなるのではと思います。

 

算数ドリルをやりなさい→いくらくれるの?

塾に行きなさい→何してくれるの?

 

上記のようになる子は多いです。

子どもは特に現金ですよね(笑)

親としては、子どもたちには自主的に勉強するようになってほしいわけですから、「お金もらえなければ勉強しない」ということになっては何の意味もありません。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

内的動機付けにつながるようにご褒美をうまく使う必要があります。

一般的には、モノやお金などのご褒美をあげることは内的動機付けに結び付きにくいです。

子どもたちは単純なもので

  1. わからない問題が解けた
  2. みんなができなかった問題ができた
  3. 親が認めてくれた
  4. 先生に褒められた

ということでやる気が出ます。

大体の子どもたちにとっては勉強はやる気がでないことなのですから、

お金やモノで釣るなら、かなりの額のご褒美を用意しないといけなくなるでしょう(笑)

なるべくほめ言葉で動かすといいのかなと思います。

友達(ライバル)や親から認めてもらえることが一番だと思います。

子どもたちは一目置かれたいのです。

自己肯定感も高まって、将来社会に出た時に強い子に育ちます。

自己肯定感を高めるって結構難しく感じますが、子どもを認め、しかるべき時にほめればいいのです。

ご褒美をあげるのであれば、

「これだけ頑張ったから、今回は特別に!」

という形で、

親が嬉しくて事前の約束もなく、自主的についついあげてしまうご褒美がいいですね。

 

子育ての参考になれば幸いです。